飽きたから

飽きたからです

小指の話

彼女には小指が無かった。何かやらかしたのだろうか。いや、そもそも高校生が何かやらかしたとして小指を詰めさせられることなんてあるだろうか。しかも、女の子が。怖いなあ、なんて思った。綺麗だな、とも思った。何となくエロい気がしたんだ。ほとんど話…

街の話

自分が自分では無かったら、なんて考えたことが、実はみんなあると思う。僕は小学生の時、女友達がやっていたFF7を見ていたときに考えていた。いや、また全然違う話かもしれないけど、数年も経てば人間なんて別人になるよな、なんて、思った。久々に会った彼…

あの日の話

友達なんていなかった。いや、彼女を友達と呼ぶなら、一人だけいたのかもしれない。廃部を待つだけの文芸部員だった僕らは、特に何か活動をすることもなく、ただその部屋にいた。妙に彼女のことが気になった日があった。別にいつもと何も変わらない部室。彼…

悲しい話

寒い。大好きだったあの子は今や東京でキャバ嬢なんてやってるらしい。裏切られた訳でもないのに、裏切られた気分だ。泣きそうだ。冬は毎年泣きそうだ。寒さや、匂いや、風景に、色んなものを思い出してしまう。多分別に、いつかに戻りたいとかそんなわけで…

つまらない話

「あの頃、もっと仲良くしていればよかったね」 なんて、言われた。 何だか居心地が悪い。背中に触れるヒートテックの感触がずっと気持ち悪い。出された酒は何だか甘ったるくて全部飲めそうにない。 やたらと赤く塗られた唇も、変に高いその声も、鼻につく匂…

笑えない日々の話

漫画みたいだな、なんて思うと、何となく恥ずかしくなった。 屋上へ向かう階段はいつも通り埃っぽくて、何故か鍵のかからないドアはいつもより重く感じた。今日で卒業だというのに、彼は結局ここに来ることはなかった。 卒業して、大学へ行って、それで? 今…

それはそれだけの話

ラッタッタ。正式名称はホンダ・ロードパル。彼女はいつでもそれに跨り、僕をからかうように抜かしていった。楽しくて仕方がないというふうに、笑いながら、原付にあるまじきスピードで駆け抜けていった。その頃は彼女の背負うやたらと大きな荷物の正体も、…

あの部屋の話

文芸部員は僕と彼女だけだった。来年には無くなるその部室に、特に話すこともなく、ただ静かに座っていた。結婚の便りが届いたのは昨日の話。別に好きだったわけでもないし、特別に仲が良かったわけですらない。なのに、茶髪になって、眼鏡も外して、夫にな…

夜の話

当時TYPE-MOONと森博嗣氏に異常なほど傾倒していた俺は、自分自身に「式」という新しい名前を与えて人格を形成していった。コペルニクス二号。どうしようもない頃の思い出はどうしようもないままで膨らんでしまって、もう元の原形もわからなくなっている。ど…

存在出来る場所の話

存在しない物が確かに存在する場所のことを考えている。 音楽はただの空気の振動で、小説はただの紙に付着したインクの連なりで、アニメは、漫画は、ドラマは、映画は、ゲームは、全てただ存在する「それそのもの」でしか無いだろうか。 そんなことは無い。…

エゴの話

好きや嫌いは勿論ある。だとしたら、最も多くの人間の「好き」に入るものが、最も素晴らしく、出来る限りそれに近付けることが必要である。なんて、そんなわけが無い。夢も希望も、根も葉も、無い話。本当にたったそれだけか? ちゃんと自分の頭で考えないと…

毎日の話

眠いな、腹が減ったな、と思っていたら一日が終わっているような感じ。「遠くから見るから富士山は綺麗なのだ」って、登ってもないのによく言うよな。けれど、そんなことばかりだ。目の前にシャンデリアがあるのだけど、シャンデリアって怖くない?金田一と…

昔の話

コンピュータというものにのめり込んでしまったのは、小学生の頃だった。初めてパソコンを触った時は、ペイントソフトでお絵かきをするだけで楽しかった。それがいつしか、ダイアルアップの遅い回線でインターネットなんかを見るようになった。ピポポピパピ…

最近の話

街灯を後ろへ後ろへと流し続けて、連なるテールランプを追い掛けている。時間も景色も、「こんなにもか」と思うほど早く流れるけど、どうにか必死に掴まってはいる。と思う。同い年の友だちがまた一人結婚した。ナルトの息子の漫画が始まった。俺らは進んで…

何で出来ているか、という話

自分が何で出来ているかという話。 初めて買ったCDを覚えているだろうか? 俺は未だに鮮明に覚えている。 近所に出来たTSUTAYAでワクワクしながら、買うことを決めていたにも関わらず無意味に試聴機で視聴してから買った「ポケモン言えるかな?」。 自分の意…

時間が経てば忘れる話

毎日つつがなく積み重ねた記憶が今現在の人格を形成しているとして。夏が来て、冬の寒さを忘れてしまった俺らは、冬が待ち遠しいなんて呟いて、冬が来て、夏の暑さを忘れてしまった俺らは、夏が待ち遠しいなんて呟くのだ。少し忘れっぽい性質は、俺の人格に…

全く関係のない話

ネコフェスという愛の夜、超楽しかったにゃあ。愛する人達が沢山いて、普段飲まないお酒も飲んで、幸せだったらありゃしない。全く関係のない話、俺は最初ギターが弾きたかった。ていうか、ベースなんて楽器の存在を知らなかったし、全部ギターだと思ってて…

愛せない音楽の話

音楽を聴いて、自分はこの音楽は好きではない、愛せない。 なんて思うことはそりゃもう、よくある。 しかし落ち着いて周りを見渡してみると、その音楽を好きだと、愛しているという人も多数いる。 つまりその音楽は「自分にとって」愛せないものであっただけ…

ゴリゴリのゴリラの話

たまに思う。どんなに偉い人も、威張り散らしてる人も、金持ちもイケメンも、誰かが殺したがってる誰かも、ゴリゴリのゴリラの前では無力だ。なんやかんやと言っても、暴力は怖い。マジで怖すぎる。ゴリゴリのゴリラが目の前に現れても、他の人に対するのと…

熱狂の話

ねっ‐きょう〔‐キヤウ〕【熱狂】 [名](スル)非常に興奮し熱中すること。「ファンがライブに熱狂する」 1969年7月20日の熱狂。まだ産まれていなかった私は、その熱狂を知らない。 人生でいくつほどあるんだろうか、どれくらい見逃してきただろうか、熱狂の…

人生を擬似体験することの話

「俳優って凄いよな、自分の人生で体験できないことをいくつも体験してて、 何周も人生をしてるみたいで、楽しそう」 みたいなことを、最近人から聞いた。 俳優、に関しては全くそんなこと考えたことも無かったんだけれど、小説やゲーム、「物語」のある全て…

味噌とんちゃんの話

さて、諸君は「味噌とんちゃん」を知っているだろうか。「味噌とんちゃん」。ゲーム「ボンバーマン」において、先に敗北したキャラクターが画面の四辺を謎の機械で緩やかに移動しながら、未だ爆発音が鳴り止まない戦場に安全圏から爆弾を落とすという、卑劣…

ランニングの話

走ろう。何がきっかけでそう思ったのかは忘れたが、走ることにした。自分には、何かを始めるときには一旦ネットで一通り調べてから始める癖がある。石橋は叩いて渡る人間なのだ。ストーンブリッジ・アタックである。相手は死ぬ。しかし、今まではそこで留ま…