飽きたから

飽きたからです

小指の話

彼女には小指が無かった。
何かやらかしたのだろうか。いや、そもそも高校生が何かやらかしたとして小指を詰めさせられることなんてあるだろうか。しかも、女の子が。怖いなあ、なんて思った。綺麗だな、とも思った。
何となくエロい気がしたんだ。

ほとんど話したこともなかった彼女に声をかけたのは、ただそれだけの興味からだった。
彼女は自分の小指に目を落とし、そして僕の目を見て、少しだけ微笑んで言った。

「運命の赤い糸って知ってる?
   貴方の小指に繋がっていなかったの」

ああ、もう二度と、小指の話なんてしないでおこう。
逃れようもない恋慕の情に、僕はそう誓ったのだった。