ニッ記

なかったことを日記に書いています

たこ焼きの話

 

 

あまり行きやすくない路地の奥にある

あまり居心地の良くないたこ焼き屋の

あまり美味しくはないたこ焼きの味が

どうにも好きでたまらない

時代は進み、良くないものはいつか淘汰されるのだろう

美味しくないものは無くなってしまうかもしれない

居心地の良くない場所も無くなってしまうかもしれない

行きやすくない路地もいつかは無くなってしまうかもしれない

いつかは、いつかはという話はあまり意味が無いかもしれない

それでも考えてしまう

好きなものはいつまでも在って欲しいと考えてしまう

 

小石にそっくりのチョコレートを貰ったことがある

小学四年生の私が手作りのチョコレートを渡したのに対して、

彼は既製品でお返しをしてきたのだ

けれどそんなことはどうでも良くなるくらい、

そのチョコレートは小石にそっくりだった

小石というより、砂利に近かったかもしれない

美味しかったなあれ、何だったんだろうあれ

 

見なくなったものって沢山ある

忘れてしまったものも

CMソングやCMの雰囲気は思い出せるのに、

肝心の商品がどういったものだったのか思い出せない

 

忘れてしまったもの

インターネットで調べればすぐに出てきたが

「ああ、これこれ」という感覚よりは

「確かにこれな気がする」という感覚だった

書き換えられてても、きっと気付けないな

 

あのあまり美味しくないたこ焼き屋はまだあるのだろうか

私が小学生の頃に既におばあちゃんだったおばあちゃんは

今もおばあちゃんなのだろうか

なんだかどうしようもなく田舎に帰りたくなった

田舎といっても今住んでいる場所より

遥かに都会ではあるのだけれども

どうしようもなく帰りたくなった