ニッ記

基本的に嘘です

発熱の話


どうにも調子が良くないな、と思っていると
やはりというかなんというか、熱が出た
どうやら特に原因はなく、
ただ単に風邪をひいてしまったようだ

久しぶりに病床に臥せって、窓から外を眺めていた
すると、そういえばと気が付いた
風景を覆い隠すように生えているこの木は、
幼い頃植えたハナミズキの木ではなかったか

どうにも気になった私は、
もう長い間連絡も取っていなかった姉に電話をした
特に仲違いをしたわけではなかったので、思いの外話が弾んでしまい
長電話になってしまった
姉妹というのは、どれだけ経っても姉妹なのだと実感したな

そして、庭の木は私が植えた木とは全く関係がなかった
姉の話によると、私が植えたハナミズキはすぐに枯れてしまったそうだ
私に似て病弱だったのだろうか
そしてそのことすら覚えていない私の、なんと薄情な事か

ふうむ、大きくなったもんだ……と感慨に耽りたかったものだが
それも叶わず、
長電話のせいか体調はさらに悪化してしまった

おとなしく寝るか、と布団を被ったが
なんとなく昔植えたハナミズキが可哀想になってしまって
そのまま眠ることが出来なかった

墓でも作ってやるか
いや、植物の墓など作ろうものなら、そこからまた木が生えてしまうか

などと、よくわからないことを考えていると、
いつの間にか眠ってしまっていて
小さな木がずっと手を振ってくれる夢を見た

起きてすぐ「なんて優しい子だろう、私は」と思った