ニッ記

基本的に嘘です

時計の話


完全に寒いな、もう秋になったな
とある日に思ったというのに
未だに普通に暑かったりして
油断ならない日々が続いている

確実に日は短くなってきていて
窓の外の明度と時計の針がズレているような感覚になる
と思いきや、この時計は本当にズレているな
そもそも僕の部屋には何故か時計が五つもあるな

どれが、何だったろうか
増やそうとして増やしたわけではなかったのだが

時間がズレてるやつは父方の祖母からもらったやつだ
小さな頃、祖母の家に行った時
妙に足のでかいクマのぬいぐるみの横に置いてあった

僕はそのクマのことを「足のおじいちゃん」と呼んでいた
顔が祖父に似ていると思っていたのだけれど
多分そんなことはなかったし
同じく「ひげのおじいちゃん」というクマと
「おじいちゃん」というクマもいた

祖父はもう死んでしまっていたし
祖母にも長い間会っていない

あの頃から今までの時間を埋めるみたいに
時計の針はもりもりと進んでいる
僕は昔からこの音を聞くとよく眠れるもので
この時計を祖母からもらったのだった